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引越 相場のマル秘テクニック!

現代財政あるいは現代の中央銀行が景気調整をうまく行ってきたかという問題になると、残念ながら必ずしもそうですいといわざるを得ません。
財政や中央銀行による政策運営が本当にうまくいっているといえるには、景気調整やインフレに対する政策も手ぎわよく行われ、景気の規則的なサイクルがなくなり、残るのは不規則なわずかの変動のみだということにならねばなりません。
長期的に乱財政運営のまずさから結局インフレーションが発生したということでは困る、といいたいのです。
次は、財政政策との関連でわが国でも非常に大きな問題になってきている国債管理の問題について述べたいと思います。
わが国でも、戦時中は戦費を調達するためにたくさんの国債を発行し、それが通貨膨張とインフレを引き起こし、大きな問設公債」、つまり財政法によって認められている公共事業費などに充てる公債以外に、特別法を制定して「赤字公債」を発行することになりました。
しかし、そのときには国債の発行額はまだそれほど大きな金額ではなかったため、国全体としてそれほど大きな問題にはなりませんでした。
しかし、第一次石油ショック以後は、一般会計歳出の中で国債発行額が占める割合はて続くだろうということで、重大視されるようになっています。
国債の発行額が非常に巨額になった場合、その処理方法如何は経済に重大な影響を及ぼします。
過去において、わが国ではどのような方法で国債を消化してきたのでしょうか。
戦時中乱発行された国債はできるだけ市中消化、つまり市中金融機関などで消化したい、という方針が捨てられていたわけではありません。
ただ、発行された国債が市中金融機関に魅力ある債券として吸収されるには、ある程度の利子がそれに付いていなければなりません。
しかし、大蔵省としては、低利子率の国債を発行しないと将来、国債利子の負担が非常に巨額になることを恐れるのは当然です。
ところが、低い国債利子率のもとでこれを全部市中消化するということになると、市中の金融機関では財務状況が非常に悪化せざるを得ません。
そこで、日銀は「買いオペ」でこれを吸収するか、それと乱市中消化が可能になるように、事前に日銀貸し出しを行って資金を放出するという措置をとったようです。
戦時中、国債の市中消化の有無とは別に、それが通貨増発の重要な背景となったという事情がここにあります。
もう一つ、これはアメリカの戦中から戦後にかけての事例ですが、中央銀行としての「連邦準備制度」が、財務省の発行した国債を次から次に買い取り、国債価格の買い支えを行ったため、発行された国債に対応して大量の現金通貨が市中に出回り、戦時中から1951年ごろまでというものは、インフレ進行の一大原因になったことがありました。
なるほど、国債が発行されると、将来の世代の人たちが利子の負担を甘受しなければならぬという議論があります。
しかし、将来、国債利子を負担しなければならない人がいると同時に、将来その利子を受け取る人もいるはずです。
それゆえ、国債の発行に伴って将来世代の負担が多くなる、現代の世代から将来の世代への負担の移転が行われる、と考える必要もないと思います。
まして国債発行を通じて将来世代の所得が増大すれば、必ずしも彼らの負担率がふえることにはなりません。
ただ既述したように、財政の金利負担が過大になり、これが歳出の2割を超えるといった状況はサラ金的であって、健全な姿ではないのです。
それにしても重要なことは、国債の巨額な発行がいずれ通貨の増発とインフレを引き起こさないような措置を事前に工夫することだと思われます。
その措置の一例が、1951年にアメリカの連邦準備制度と財務省との間で成立した“Accord”と称する合意です。
この合意は、それ以後、連邦準備制度が、発行された国債の値下がりを防止するために、それを買い支えすることはしないというものです。
つまり、国債価格が下がって乱それを放置するというのです。
その場合には流通利回りが上昇します。
また、金利に規制が行われない状況のもとでは、一般金利が上昇し、そのことが財務省の国債利子負担を増大させることになるかもしれませんが、それを気にしないという措置がとられたのです。
この措置がとられて以後、アメリカでは、国債増発に原因するインフレーションの懸念が一応一掃されたと見ていいのです。
日本経済については、今後とも数力年にわたって巨額の国債が発行される可能性があります。
たしかに設備投資が低迷している状況では、国債を市中銀行で吸収・消化して仏市中の民間資金需要と競合する心配はありません。
しかし、民間の資金需要がふえてくると、国債消化と民間資金需要とが市中金融機関にとって競合するような事態にならざるを得ません。
そういう場合でも、発行された国債が市中金融機関にとって魅力ある債券として十分に消化されるためには、一般市中金利との関係において柔軟かつ合理的な流通利回り、ならびに発行利回りが成立する必要があります。
それにもかかわらず、政府が国債の発行条件を自由な市場で成立する均衡利子率より低い水準に抑えようとすれば、市中金融機関でその国債を十分に消化することは困難になります。
したがって、将来にわたって巨額の国債が発行される場合、できるだけインフレを引き起こさないようにするための条件が、このことから導き出されます。
つまり、国債の発行条件あるいは発行された国債の利子率を金融市場の状況に応じて弾力化すること、端的にいえば「金利の自由化」を行うこと、国債の市中公募を行って、発行条件の自由化を図ることがそれです。
現在のところ、発行された国債は、一年間は市中金融機関がどうしても保有しなければなりません。
逆にいえば、一年間はそれを売却なることが禁止され、国債の流動化が阻止されています。
しかし、一年たてば、その後は、日銀の「買いオペ」に応じてそれを日銀に売ることができます。
つまり日銀に引き取ってもらえるのであり、こういう状況が続けば、膨大な国債発行が継続なる限りは、いずれ民間資金需要の増大と競合するようになったとき、通貨の増発とインフレを引き起こす可能性があることは否定できません。
そういうわけで、国債発行が将来、インフレの禍根を残さないようになるためには、現在大きな政策転換を行わなければならない状況にあります。
国債発行については現在、銀行・証券業者などによる国債引き受けシンジケート団が組織され、メンバーの間に人為的な価格による強制的な割り当てが行われていますが、この制度を廃止して市中公募による入札を行い、これを導火線として、先ほど述べたほかならぬ「金利の自由化」を行う必要があります。
それには、一年間の売却制限は廃止する必要があります。
また、現在7~10年期限の長期国債が約8割という状況ですが、この状態を改め、市中金融機関あるいは一般公衆が消化しやすいように中短期債も多くし、国債の種類を多様化する必要があります。
いろいろな「期限」の国債を発行なるといったことが必要でしようし、市場性のある一般国債のほか、非市場性の「貯蓄国債」を多少とも買い手に有利な条件で発行して安定保有層を拡大する必要があると思います。
これまでのところ、金利は次第に弾力化の方向にあります。
たしかに、国債の市場公募という原則が貫かれるかぎり、政府の赤字公債の発行に対し、ある程度の歯止めがかかることも事実です。
しかし、一般会計歳出の約3分の一が赤字だという現状は、「増税なき行政改革」が一般世論であるため、容易に改善されないまま放置される可能性が強いかもしれません。

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